【見どころ】マイスター魂 フィギュア・山口勝久さん 語り/ケン・サンダースさん後10:45 >> 後11:00 NHK総合
山口勝久さんと聞いてピンと来た人は、よほどのフィギュア好きですね。
山口さんは、フィギュア制作のトップメーカー、「海洋堂」に在籍する原型師です。
原型師というのは食玩などのフィギュアのオリジナル「原型」をつくる方で、
フィギュアの仕上がりは原型師の腕に左右されます。
以前ブームになったチョコエッグのオマケも海洋堂が作っていましたが、
こちらの原型師は松村しのぶ氏が担当。
原型師として生物関係の第一人者は松村氏、そしてロボットと言えば、この山口さんです。
原型師の仕事は、原作に忠実に作品を作るだけでなく、
多くの人がイメージする形に仕上げるのが仕事の妙と言われていいます。
アニメやコミックに登場するロボットなどのキャラクターは2次元なので、原画や設定画をそのまま3次元化することは不可能なのです。
初期のガンプラっていまひとつ、かっこ悪かったですよね?
あれは、プラモデルの金型を作る際に、アニメの設定画から図面を作成したので、作中のモビルスーツとは違い、どことなく表情のない仕上がりになっていました。
それを当時のモデラーたちは、作中のイメージに近づけるために、
プラモデルを切ったり貼ったりしたわけです。
原型師の話に戻りましょう。原型師は2次元から3次元にしたときに、違和感が無いように
フィギュアのバランスを調整してスタイルを整えます。
頭を小さくしたり、肩を大きくしたり…その調整方法は様々です。
フィギュアは金型に溶けた素材(プラスティック、ゴム系材料)を流し込んで作りますが、その分割も考えなければいけません。極端な話、分割を間違えると顔の真ん中に筋(成形線)が出来てしまい、かっこ悪くなるんです。(まぁ、そこまでひどい作品はありませんが)
パーツの分割を少なくするとフィギュアのパーツが大きくなり、ガチャガチャなどのカプセルやオマケの箱に入らなくなります。逆にパーツを細かくわけると、パーツの精度は上がりますが、パーツがなくなりやすくなったり、出荷時の袋詰め行程が増えて、原価が高くなると言う弊害も出てくるのです。
山口氏はこれらの基本的な作業だけでなく、いかにカッコイイポーズがつけられるフィギュアを作れるか、ということを考えて原型を作る名人なのです。とくに関節の構造を考えさせたらピカイチと言えるでしょう。
そんな山口さんのテクニックを「山口式可動」と呼び、マニアは賞賛しました。
山口さん代表作と言えば、海洋堂の「リボルテック」シリーズです。
リボルテックは海洋堂が独自に開発した関節パーツにより
ロボットフィギュアに劇中さながらのアクションポーズをつけられます。
なんで、僕がこんなに山口さんについて詳しいかと言うと…数年前に山口さんにインタビューさせていただいたからです。
とても研究熱心な方で、仕事以外にも内職として、自分が考えているフィギュアを作っていらっしゃいました。ちょうどプロ野球の選手が自主練をするようでした。
さて、そんな山口さんの仕事ぶりをこの番組はどう伝えるのでしょうか?
僕も楽しみです。ぜひ、録画して見ましょう!