昨日、東芝の発表会に行ってきました。
今回の「HD DVD規格からの撤退」は予想できたとはいえ、東芝がHD DVDユーザーに対してあまりに素っ気ない対応をしているように感じる会見だったので、なんかどんよりとした気持ちになりました。
東芝の西田厚聡社長の会見は(内容はともかく…)、これまで力を入れてきた事業の撤退が、株価などへ与えるマイナスイメージを最小限にするためでしょうか、とてもき然としており
前列で見ていると、なんだか威圧感のあるオーラを感じました。
さすが巨大なヒエラルキーの頂点に鎮座する方は違います。
ムムッ、と思ったのは質疑応答の場面。普通、社長さんのような“大ボス”が質疑応答をするときには、だいたいおつきの人が対応します。そのあと、大ボスが決めぜりふだけを言ってしめる、といった感じです。しかし、西田社長は多くの記者からの質問をすべてひとりでこなします。
記者のなかには、同時にいくつもの質問をする人もいます。こういったとき、5つの質問があれば、1つ、2つは忘れてしまい、聞き返したり、おつきがフォローしたりします。しかし、今回はそれが無かったんです。記者の質問をすべて高速でメモして、確実に回答する。当たり前のようで、これができる社長さんはあまり見かけません。
東芝DM社の藤井さんにインタビューをさせていただいたときも、かなりのエネルギーを感じましたが、こちらは楽しくなるような波動を感じました。西田社長はというと、もうなんというか…きっと役員会では西田社長VS藤井社長で激論が交わされてたのでしょうが、独特のエネルギーに満ちあふれた藤井社長を持ってしても、この方を説き伏せるのは無理だったのではないかと、妄想してしまいます。
(なんて言うんだろう、ドラクエに出てきたデスピサロ?いや、帝王エスタークみたいなもんかなぁ…)
会見の内容はPhile-webにあるので、よかったら見てください。 (動画あり)↓
とても整然とした会見でした。しかし、東芝がHD DVD規格から撤退することで、多くの人が悲しい思いをするということに対する、反省やお詫びの気持ちは伝わりません。
もともと自社が立ち上げた規格に自ら幕引きをすることに「苦渋の選択」とはおっしゃっていたけど、それは経営的なことに対してで、ユーザーに対してはどうなんでしょう?購入済みユーザーへの対応は、至極当たり前であって、満足できるものではありません。
もし偽装系企業の記者会見のように、役員が揃ってお詫びをしたら、ニュースはその部分だけを取り上げて、東芝へのマイナスイメージは最大限に高まったでしょう。西田社長は「HD DVDは好調でした。規格に不備はありません。問題は一つ、いきなり寝返ったワーナー・ブラザーズのおかげでこんなことに…、でも、みなさんよく考えたら、録画規格が2つもあったら皆さんが不便ですよね?なので、HD DVDはやめにします!で、なにか?」って雰囲気です。謝ったら負けってことがよくわかりました。
とはいえ、その内容はレコーダー好きにとってはツッコミどころが満載。爆笑問題の田中さんや、さま~ずの三村さんのように、いちいちツッコミたくなって困りました。
「そこかよっ」、「HDDは消耗品で壊れるのっ!」、「アップコンバートはハイビジョンじゃないしっ!」とかね。
つづく