【HD DVDが生きのこるには】
さて、ここからは妄想です。故・小松崎画伯のイラストで描かれる“ありそうでなさそうな”未来の話だと思って読んでください。
本題に入る前に、これまでのお話は下記になりますので、よかったら読んでください。
HD DVD VS Blu-ray Disc これぞ関ヶ原の合戦!
HD DVD VS Blu-ray Discその2 HD DVDプレーヤー米国で半額!
HD DVD VS Blu-ray Discその3 次世代DVDの1本化は大歓迎
これまでお話してきましたが、僕のようにRDの操作に慣れている人は、RDシリーズ(正確には機能や編集に対する思想の継続。インターフェイスの継承は別問題)が消滅することだけは回避できないかと考えてしまいます。それにはどんな製品が登場すればいいでしょうか?
1.BD再生対応のRDの登場
BDの再生機能を備えたRDの登場です。記録はこれまでどおりHD DVDに行い、HD DVDビデオの再生にも対応します。これなら次世代セルタイトルのすべてが再生でき、HD DVDが備えるHD.Recなどの便利な機能もそのまま使えます。BD陣営はHD DVD互換の製品は出さないでしょうから、製品化のメリットはあります。
2.超低価格なHD DVD-Rの発売
1枚300円のHD DVD-Rが発売されたら、この規格の魅力はグンと増します。いま25GBのBD-Rの最安値が600円程度なのに対して、15GBのHD DVDの価格も600円程度。僕はBDとHD DVDの両規格のレコーダーを使っていますが、ディスクに落とすのはBDがほとんどです。やはりメディアは1GBあたりの価格が安いほうが有利です。TS録画では、記録容量を変更できなかったので、大容量のBDメディアが有利でした。しかしハイビジョン番組を低容量で記録できるH.264方式の登場で、解像度を落とさずにメディアの容量に合わせて録画することも可能になり、これまでよりは15GBのHD DVDも使いやすくなるはずです。ならば、HD DVDはBD-Rの半額で15GBのHD DVD-Rを売るという、ある意味機動戦士ガンダムの「コロニー落とし」的な作戦を打ち出せば生きのこれるのではないでしょうか。
無謀のようですが、そうでもないように思えます。と言うのも現在、デジタル放送のコピーワンス番組を記録できるCPRM対応のDVDメディアの価格は、DVD-RWで1枚100円、DVD-Rで70円程度になっています。HD DVD関係者が言うように、DVDと同じラインで作れ、製法も素材も共通点が多いという事を考えれば、DVDの3倍程度の価格に押えつつHD DVD-Rを作れるんじゃないでしょうか?
15GBで300円という価格は、コストパフォーマンス的にも落ち着きやすいと思います。1層記録のDVDメディアの容量は4.7GBですから、3枚で15GBの1層HD DVD-Rと同じ容量になります。1GBあたりの単価がDVDと肩を並べるHD DVDメディアが登場するのなら、録画ファンは大歓迎するに違いありません。
さて、この2案のうち、現実味があるのはどちらでしょう。もちろん第3、第4の選択肢もあるでしょうが、さしあたりこの2案で考えるなら、やはり低価格メディアの登場のほうが現実味と即効性があると思います。一番はBD版のRDシリーズが出れば、ユーザーとしては規格を気にせずに、レコーダーの機能を基準に機種選びができるので幸せだと思います。
ある記事の取材で台湾からメディアを輸入している商社を取材しました。そこでお話を伺ったところ、BD-RよりもHD DVD-Rの方が生産コストは安いということが確認できました。HD DVD陣営はこれまで「HD DVDはDVDの生産ラインを流用できるので、BDよりも低価格でディスクを生産出来る」と繰り返してアナウンスしていました。しかし現状は前述のように違います。
機器メーカーもメディアメーカーも、どちらもHD DVDメディアは安いと言います。ではなぜ格安のHD DVD-Rは出てこないのか?僕が取材する限りだれも嘘を言ってるとも思いません。では原因はどこにあるのか?
夫婦漫才の名人 人生幸朗・生恵幸子の漫才のように「責任者出てこいっ!」と叫びたいものです。え?ほんとに出てきたらどうするかって?そりゃまぁ「謝ったらええのや」(^.^;
次回に続く…