【次世代DVDの1本化は大歓迎】
今回話題になっている「HD DVD VS Blu-ray Disc」の対決は、セル(市販)タイトルの規格争いです。
冷静に考えれば、今回の騒動でHD DVDが負けても(いやもう…?)、HD DVDのセルタイトルが世の中から姿を消すだけなんです。次世代DVD自体が無くなる訳ではありません。
よく考えてみればこのままHD DVDとBlu-ray Discの両方が残ったとしても、セルタイトルを発売する規格としてはどちらも不完全でした。
なぜなら、前回のブログでお話ししたように、両方の規格に対して、すべてのコンテンツホルダー(ハリウッドなど)が、平等にタイトルを発売しないかぎり、DVDに取って代わる次世代セルタイトルの規格とは言えないからです。
いくら画質がよくても、新しい規格が以前の規格に比べ不便になるなのは受け入れられないのではないでしょうか?
例えばソニー資本で作られた映画「スパイダーマン」シリーズは、HD DVDにならないし、HD DVDに作品を独占供給すると発表したパラマウントの作品はBDにはならないのです。こんな不便な選択肢しか提供できないBD、HD DVDともに次世代のセルタイトルを担う規格としては失格だと思います。スタンダードな規格を目指すなら、コンテンツの提供は平等でないとまずいと思います。消費者不在の規格争いは、普及以前にそっぽを向かれるのではないでしょう。
HD DVDは多くの点でBDよりも優れた機能を備えていました。ですが、コンテンツが少ないのではその魅力をいかしきれません。市場では生き残れないのです。
すべてのコンテンツホルダーが次世代セルタイトルをBDに1本化するのなら消費者は歓迎すべきことでしょう。(まぁ、長い目で見ればってことですが…年末にHD DVDのプレーヤーを買っていたらそんな悠長なことは言えませんね)DVDと同じく、一つのプレーヤーですべての次世代ソフトのタイトルを再生できるからです。
ではもしHD DVDのセルタイトルがすべて無くなったとして、東芝のHD DVDレコーダーは、次世代DVDレコーダーの役目を終えるのでしょうか?
そんなことはないと僕は思っています。HDD&DVDレコーダーを使っていて、もしDVDビデオの再生機能だけが壊れたら、あなたは困りますか?
もちろん、困るひとは多いでしょうが、DVDビデオを再生するだけなら、パソコンやゲーム機など、代用する機器があるのではないでしょうか?
またAVマニアならHDD&DVDレコーダーのDVD再生画質に満足できず、専用の高級DVDプレーヤーを持っているはずです。
もしかすると録画機に市販のセルタイトルを再生する機能は、無くてもあまり不便に感じないのかもしれません。
次回へ続く…